2000/3/5号
「金融監督庁は、中小企業を潰す気か?」 
 機械的な”マニュアル検査”に批判続出   
 “検査に手心を”との発言をしたとして辞任した越智通雄金融担当相に代わって、京都府福知山市出身の谷垣禎一(さだかず)代議士(元・大蔵政務次官、科学技術庁長官、衆議院逓信委員長、衆院当選六回)が就任した。前任の越智氏は“政争”には敗れたものの、昨年夏から実施された金融監督庁の金融検査マニュアルに翻弄され悲鳴を上げている日本全国の中小企業者、中小金融関係者の声を政治家として痛感。立場上、やや言葉足らずで発言のタイミングが悪かった−と同情の向きもある。しかし長期構造不況の真最中に、利益を上げ黒字決算等以外は不良債権部類と見なされ、深刻な貸し渋りにあう中小零細企業、商工業者の立場は、むしろ無残であり悲痛でもある。以前からの金融証券検査官に加え、国税、検察、警察や公認会計士等で構成されている監督庁の「マニュアル」金融検査官には、実状が全く理解してもらえない−と、悲痛な声が日本全国に充満していることも事実である。次に現状を取材した。  

金融再生委員長に谷垣氏


「検査柔軟化発言」は”リップ・サービス”
早々と”葬式”の準備進める当局
 政府筋の「金融機関の実態を踏まえた検査を行う」という”柔軟化”発言に、一部金融機関は”ぬか喜び”したが、これは単なる”リップ・サービス”。当局は金融業界に”再編検査”を厳しく進めると「宣戦布告」を行うや、早や”葬式”の準備をし始めた。  

優先出資認められても連合会支援なし?
 優先出資法改正により、個別信金や信組も優先出資発行ができる方向となり、また一方では全信連(全信組連)に公的資金注入も認められることとなる。そのため、信金・信組界では、「個別信金や信組が発行する優先出資証券を、全信連(全信組連)が引き受けてくれる」との期待がにわかに高まってきた。だが、全信連、全信組連ともに、優先出資引き受けには慎重姿勢。現実は甘いものではなさそうだ。

ペイオフ控え、PR重点に−全信協予算総会  


東信協、圧縮予算承認


経営基盤強化は実務対応へ−関信協予算総会


時代を超え、着実な歩みを−
大阪信金、80周年職員大会
 【大阪】二月十二日に創立八十周年を迎えた大阪信用金庫(理事長・溝口 肇氏)では、当日、太閤園にて役職員向けに「創立八十周年記念式典」を開催した。溝口理事長は、先に取引先に対し行った八十周年記念式典に触れ、「逆にお取引先から感謝と激励の言葉を受け、たいへん感激した。お取引先からの信頼を糧に、大信の八十年の歴史と内容に自信と誇りを持って、百周年を目指して一歩一歩着実に歩んでいこう」と、役職員を叱咤激励した。  

「1時間で貸します」
さがみ信金・スピードローン
 さがみ信用金庫(理事長・松浦康二氏)では、「一時間以内」に融資の可否を即答するスピード決済型フリーローン「クイック」を、二月一日から取り扱いはじめた。  同金庫では、しんきん保証を使い取引実績に応じ金利優遇する有利なローンを取り扱っているが、この条件に当てはまらない顧客が消費者金融に流れていた経緯がある。そこで補完商品として、融資決済スピードを大幅に早めた同商品を開発したもの。







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