2000/4/10号
信金年金、運用会社大幅入れ替え
実績主義で外資系3割に
 四月一日から介護保険がスタートした一方で、年金ではさしたる論議を尽くすことなく確定拠出型―いわゆる日本版四〇一kの一部導入の方向が決まった。こうした中で、二千年第一四半期の株式市場が、依然衰えないアメリカの市場を反映し、日本でも通信関連株の上昇等や、一部大手企業などで回復基調が見えること。昨秋からの株式売買手数料を引き下げた新しいインターネット証券等により積極的な財産形成をする個人投資家等の旺盛な投資意欲や、上がりすぎのニューヨーク市場からの迂回等に支えられ、日経平均が二万円台に回復。これにより、年金基金の運用利回りも大幅に改善されたところが続出。 信用金庫年金基金でも、この「予想外」の株式市場の上昇を受け、予定利率が五・五%(十三年度から四%に引き下げ)の二倍近く―ほぼ一〇%に迫る運用利回りとなったことから、とりあえず今期積み立て不足の懸念は解消されることになった。が、これも一時的な神風であることから、信金年金基金では抜本的な利回り向上を図るべく、「実績主義」に基づいた運用会社入れ替えを断行。運用成績の悪い運用会社への委託を三分の二〜全額カット、外資系への委託を三割に増やすなど、思い切った改革を実行している。

大手行再編、最終ラウンドに
   三月三十一日午後一時十分、日本のはっきりしない景気を象徴するかのように、北海道有珠山が噴火、その後噴火口を転々と変え、噴煙を上げながらいつまで続くかわからない噴火活動を始めた。  一方、政界では、バブル経済崩壊以降では一番の長期政権として金融機関の不良債権問題の解決や景気回復などバブルの負の遺産整理と日本再生を旗印に不況からの脱出を強力に推進してきた小渕恵三総理大臣が、四月一日順天堂大学病院に緊急入院。  一日たった二日夜の青木官房長官から、総理は脳梗塞で意識がないために、青木官房長官が総理代理として、四日に内閣を総辞職。翌五日、期半ばで倒れた小渕氏の政策を引き継ぐ形で、臨時内閣として森幹事長を総理大臣とする森内閣が誕生することとなった。なお閣僚は、全員留任。自民党の新たな幹事長に、野中副幹事長が返り咲いた。  波乱の幕開けとなった新年度がスタートした四月一日は、あいにくの土曜休日となったため、実質スタートは四月三日から。早いところではすでに入社式を済ませたためか、土曜日にもかかわらず着慣れないスーツ姿に緊張した面もちのの新人たちが、遅刻しないように各企業に向かって走っていく姿が見られた。ちなみに今年の新人のキャッチフレーズは、堅実・巣立ち型という。  こうした中、金融機関では、東では信託の生き残りをかけ九八年に合併を表明していた三井信託銀行と中央信託銀行が、四月一日中央三井信託銀行として新発足。一方、西でも大和銀行傘下となった大阪銀行が近畿銀行と合併し、近畿大阪銀行としてスタートした。

新生・東京シティ信金スタート
 東京シティ信用金庫(理事長・渡邉 忠氏)では三月二十一日老舗の都内第二支部の日本橋、東商、京橋と城西支部に入る帝都の併せて五信金が合併し、新生東京シティ信用金庫としてスタートした。  スタート当日は、特に三決算期前であり、対象である中小零細企業や地元商店街等が大不況の中にあるため、大々的な合併キャンペーンといった催しはなく、いつもと変わらぬスタートを迎えた。

約60金庫が赤字へ
今年三月の決算では、二年間続いた特別積立金取崩の特別利益への算入という特例措置がなくなり、”マニュアル検査”や地価下落、不況倒産による引当の増加も加わり、信金、信組業界では相当数が「赤字決算」となりそうだ。全国信金では六十程度が赤字。都内信金では全四十金庫中、半分の二十金庫程度が赤字、関信協管内でも十数金庫が赤字になる見込みだという。  都内金庫は、赤字も「織り込み済み」で、「不況で利益がそんなに出ない中、不良債権処理をしなければならないのだから、赤字は仕方がない。各業界でも上場会社でさえ赤字なのだから、むしろ当然」と、「自然体」の様相。「皆が赤字を出す今のうちに一緒に出しておいた方がよい」と、あえて赤字決算に踏み切る所もある。

「今こそ信金の出番」−東信協優良企業表彰          
東信協並びにしんきん協議会連合会では、三月十五日、恒例の優良企業表彰式をホテルニューオータニで開催。技術力や商品開発力等に優れ、「小さくてもキラリと光る」中小企業が、第十三回目の今年は八十三社選ばれた。信金業界からも「今こそ、本当に親身になって信用金庫が中小企業のお役に立つとき。これからも中小企業金融円滑化のため懸命に努力する」(長野東信協会長=朝日・会長)と、力強いメッセージが伝えられた。

明日のベンチャーを育成へ
摂津信金、学生による新事業アイデアコンペを開催  
【大阪】バブル経済崩壊後、中小企業にとって厳しい状況が続き、基本的な産業構造の変革を求められている。  一方、コンピュータの急速な普及でインターネットが急進展。これに関連する事業が新たなベンチャー企業育成として注目を集め、これに伴い店頭公開の緩和や、マザー、さらにはナスダック・ジャパンなどといったこれまでの中小企業育成とは違った、新たな産業育成が注目を集めている。  こうした中で、十五年以上前から中小企業の異業種交流を行ってきた摂津信用金庫(理事長・大木令司氏)では、昨年九月に通産省の後援を得て「ノウハウとテクノロジーの見本市ビジネスマッチングフェア九九」を開き、企業同士の人的・技術的交流や共同事業など、これまでの情報交換の場から一歩踏み込んだ提携・交流会を実施した。  こうした試みの一環で、学生による起業家コンペとして「千里キャンパスグランプリ」を実施。硬派な企画にも関わらず、ビルゲイツや孫正義など現在の億万長者となったベンチャー企業の旗手を見習うべく、百以上の出展参加があった。

店舗開設・結城信金守谷支店、朝日信金大塚支店          


碧海信金、創立50周年で1億円寄付  
 碧海信用金庫(理事長・横田俊二氏)では、今年創立五十周年を迎えることから、記念事業の一環として、このほど地元五市などに計一億円の寄付を行った。  地元安城市、知立市、刈谷市、高浜市、碧南市の五市に計五千万円、財団法人碧海育英会(昭和四十一年設立。延べ四七八名の高校生に奨学金を給付)に五千万円を寄付することで、地域へ奉仕し、学術・文化事業を支援する。

岡崎信金、澤田会長が相談役に  
 

「がんばれ中小企業!」−朝日信金が500万まで無担保融資
 

岡崎信金、全店に振動呼び出し器
 

デビットカード、2方式
手間要らずのクレジットか、収入のSSCかで信金悩む
 

小渕内閣、最後の行事−「桜を見る会」行われる