2000/5/5号
有価証券への時価会計が決算、経営を直撃!
各金融機関、大あわてで「運用手じまい」へ
 平成十三年三月期から、金融機関に有価証券等、金融商品への「時価会計」が導入される。  もともと、この時価会計は、日本の金融機関も国際会計基準に合わせるということと、金融機関が簿価評価をいいことに運用面での含み損を抱えたまま経営する危険性や、不良債権をデリバティブを駆使して先送りしているのをクリアにするため、導入が計画されたと言われる。  そのため、もともと運用が少なく、ましてやデリバティブなど皆無に近い信金業界では、ほとんど話題にもなっていない。  だが、この時価会計、実は「決算」や「経営」を揺るがす大問題。  一部銀行、信金、全信連等では、株式や特金のほとんどを処分に走るなど、導入をにらんで矢継ぎ早の対応が始まっている。

全国信金、ATM相互利用手数料を無料化へ
 四月二十五日開催の全信協経対委で、全国信金のATM相互無料化を年内に実施する方針が決まった。  信金は全国に八千六百店舗の金融業界随一という強大なネットワークを持っており、これが実現することで「信用金庫」の知名度もアピール力も絶大なものになる―と、業界内からは大きく期待されている。  

わかば信金、9信金に分割譲渡へ
 わかば信金が、今年十二月をめどに太陽信金をはじめとする都内九信金に分割事業譲渡されることとなった。  わかば信金は、東京・中央区の永楽、大恵、第一の三信金が平成十年三月に合併し発足。これは、当時破綻寸前となっていた第一信金の業界内処理をメインにした再編だった。それから二年余。不良債権については合併時にすべて処理したものの、以降、地価下落による担保不足等で同信金の経営内容は急速に悪化。昨年秋の検査で債務超過に陥り、都内信金に再編が打診されていたもの。こうした中、太陽、朝日、同栄、芝、昭和、目黒、東調布、王子、多摩中央の都内信金有志では、取引先中小企業等を守るため、このほど店舗譲受に応じたもの。

福井3信金合併へ
北陸一の信金に
 【福井】福井県内にある福井、福井中央、鯖江の三信金は、さる四月十九日記者会見し、来年四月十六日をめどに合併すると発表した。存続信金は福井信金で、合併後の新金庫の預金量は平成十二年三月末で約五千七百億円となり、北陸三県で最大の信金となる。

事業譲渡に思わぬ”プレミアム”


春の叙勲、金融業界は九名受章に      
平成十二年春の叙勲で、金融業界からは再生委推薦で九名が受章。  信金関係者では、甲府信金・雨宮前理事長(元四国財務局長)が勲四等旭日小綬章に輝いたのをはじめ、上井哲夫・元倉吉信金理事長、森信ヤ二・広島みどり信金理事長、渡邉捷美・江差信金理事長が受章した。

東京三菱と信託3行、統合へ 
87兆円の金融グループに


サッカーくじ、いよいよ来年から      





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