2000/7/5号
相援、大幅見直しへ
出資金「全額」保護から「少額」保護に
 長い間、信金業界のことは信金業界内で解決するとの考えの下、信金業界の信用秩序維持の象徴的役割を果たしてきた相互援助資金制度が、公的資金の道が開けたことや、厳しい環境の中でなかなか個別信金が収益を上げにくくなっていること、また相援適用信金の規模が大型化するなどの要因で、今その存続をめぐって、大きな曲がり角にさしかかっている。
 その一因には、@業界内救済にキリがないこと―特に出資金が、自己資本増強等により急激に増えている一方、一部配当率の高さで出資を集めている所があるなど単なる利用権としてではなく金融商品の一つとして売っている所があることA信金業界の信用維持のためと言っても現実に合併等により公的資金が入っていること―などを挙げ、もはや相援制度の役割は終わった―と言うのである。しかしながらバブル崩壊後、第二地銀、信組が相次いで破綻する中で信金だけは国民に負担をかけず業界内処理で、歯を食いしばりながら信用維持に努めてきただけに、安易な廃止は、むしろ業界の信用を逆に損ないかねない―として反対する声も少なくない。こうしたことから、先ごろ全信連が実施した相援存廃のアンケートは、あまりに簡略すぎるとして、再度きちんと全国の声を聞くべきとの声が挙がっている。

金融庁スタート
実態に即した検査行政に期待
 七月一日、十二の中央省庁改変に半年先立ち、大蔵省からの金融行政と、財政政策の分離によって、金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合した「金融庁」が発足した。
 初代長官には、監督庁長官の日野正晴氏、次長に同じく監督庁の浜中秀一郎氏、総務企画部長に乾文男監督庁監督部長、証券取引等監視委員会事務局長に五味監督庁検査部長、新たな検査部長に大蔵省の西川和人東京国税局長、監督部長に大蔵省の高木祥吉氏が就任した。
 また、金融庁長官から監督権限の委任を受ける大蔵省各財務局では、六月三十日、七月一日に幹部級の定例異動があり、財務局長では、近畿財務局長に増井喜一郎大臣官房審議官、東海財務局長に内村広志金融監督庁長官官房総務課長、北陸財務局長に児島俊明主計局司計課長、四国財務局長に戸塚正則理財局資金管理課長、九州財務局長に高橋明夫造幣局総務部長が就いた。
 なお、来年の一月六日まで金融庁とともに金融行政を司る金融再生委員会では、七月四日に第二次森連立内閣が発足したのに伴い、金融再生委員長に参議院議員の久世公堯氏、総括政務次官に宮本一三代議士が就任した。
 

大蔵省財務局人事(詳細)
 

信金総代会特集
○同栄、笠原理事長が勇退。理事長に初のプロパー出身、大貫氏
○碧海、横田理事長が会長、石川専務が理事長に
○足利、大谷理事長が会長に。金子専務が理事長へ
○東京東、業純140億円に

信金・信組総会特集
○社会貢献賞に大阪市信金など
○全信連、理事に伊藤氏、田邉氏
○東信協・長野会長、実態に即した行政、検査を要望
○信金同友会、代表幹事に藪崎氏
○代位弁済が過去最悪―しんきん保証
○保険業務推進へ―全信不動産
○堅調に業績アップ―しんきんクレジット
○しんきんリース、黒田氏が社長に
○SIS、情報系アウトソーシング事業拡大を
○「信組検査、厳しいものに…」―全信中協総会
○コスモら破綻信組の二次ロス300億負担へ―全信組連総会

<全信協社会貢献賞> 会長賞=大阪市信金、Face to Face賞=鶴岡、広島信金。 奨励賞=赤穂、能登信金。特別賞=北上、巣鴨、一宮信金
<全信懇PRコンクール> 最優秀賞 全信懇会長賞=能登信金、 全信協会長賞=飯塚信金、 全信連理事長賞=福岡信金、 共栄火災社長賞=王子信金、 富国生命社長賞=東京シティ信金、 共栄火災しんらい生命社長賞=群馬中央信金、 特別賞=水戸信金   

しんきんトピックス
○王子信金、80周年記念商品を開始
○ぎふしん地域貢献賞
○浴衣着用と狂言会―京都中央信金
○米ドルを全国一安く販売(2円50銭)―大阪市信金
○懸賞金付に宝くじ―甲府信金
○朝日信金決意ポスター  

うちの独自戦略―興産信金・ペット預金

日興、完全優勝で連覇―東信健保バレーボール大会




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