2001/4/10号
業務提携でスケールメリットを展望!
−東榮、亀有、小岩、小松川、足立、成和

 都内二十三区内でも、製造業等を中心に中小・零細企業が多く、信金・信組等協同組織金融機関のいわばメッカともいわれている城東地区(墨田、江東、葛飾、足立、江戸川の五区)の六信金が、このほど合併を前提としない全面的な業務提携を行うことで意見が一致。新年度のスタートとなる四月二日共同記者会見を行った。業務提携したのは東榮、亀有、小岩、小松川、足立、成和(コード順)の六信金で、狙いは銀行とはひと味違う協同組織金融機関の良さ―独自性をより発揮し、地域社会によりよいイメージアップを図ること。と同時に合併に勝るスケールメリットを生かしてコスト低減の徹底化を図ることにある―としている。  城東地区は都内の中でも未だに独自の下町気風を強く残しており、その恵まれた地域性・人縁の中で育まれてきた各信金は、これら顧客層のニーズに応えるために今回この業務提携に合意したもので、六信用金庫の自己資本比率九・九三%にみられるように、それぞれが効率性の高い経営を進めてきたからこそ実現したものといわれている。この業務提携という形での独立性を生かした地域連合は、信用金庫業界の今後の再編に新たな一石を投じ、今後の成果が期待されている。

●6信金理事長あいさつ
●自己資本比率は9・93%
●地元で根強いファンを持つ信金同士
●キメ細かなサービスの提供を
●Σバンクは、地域と運命共同体
●金融新時代の新しい方向を示唆
●6信金の概況−預金量は計1兆2000億円



健全な中小企業金融のために−東信協、信金の健全性尺度を独自制定
 首都圏信金では、資産デフレと金融検査マニュアルの二重苦で、中小企業金融が円滑にできにくくなっているのが大きな問題となっているが、こうした中、東信協(会長・茂木 勇氏)では、検査マニュアルの改訂を目指した緊急提言≠、三月二十九日の東信協理事会で採択した。
 これは、昨年十一月から同協会傘下の「信用金庫経営の健全性検討委員会」(委員長・小野澤幸雄日興信金理事長。委員金庫=朝日、東京シティ、東京東、亀有、成和、西京、東京産業、日興、王子、青梅の十金庫、客員=斎藤 正駒大経教授)で五回に亙り集中討議した中間答申。
 答申では、大企業から小零細企業まで一辺倒で、企業規模や特性が反映されない「検査マニュアル」により、中小零細企業の多くが要注意先となり、さらに破綻懸念先に区分されるケースも出ている。
 そのため、信金が中小企業金融の役割を追求すれば、自己資本比率は低下せざるを得ないと、ジレンマ≠訴えている。
 そこで答申では、検査マニュアルに準拠した「自己資本比率」だけを健全性の指標とする現在の風潮に疑問を呈し、「信用金庫らしい健全性の尺度」を、具体的に提示した。
1.信金は地元で集めた資金をできるだけ地元に融資し、地域の活性化を図るのが役割。そこで地域主義を確立するための観点として、
 @重点地区の設定と重点地区内における預金・貸出金構成比並びに地区別預貸率
 A重点地区内取引率
2.地域内のできるだけ多くの取引者からの支持を得ることが確固とした経営基盤となるとともに、小口多数取引によってリスク分散が図られることから、多数者利用とリスク管理の観点として、
 @融資の上限率
 A小口多数取引率
3.公共性・信頼性を高めていく観点として、
 @都・区・市・町・村等の制度融資取扱比率
 A保証協会付保率
 を挙げている。
 
  

4大金融グループ、4月スタート!
 

揺れる「銀行保有株式取得機構」
−「与党の選挙対策」との批判も
 政府では、三月株式市場が一時一万二千円を割り込み、市場の不安を増大させたことなどから、不良債権処理のため、売却を急ぐ銀行の持ち合い株など保有株を、買い上げる「銀行保有株式買い取り機構」の設置などを盛り込んだ、緊急経済対策を決定、四月六日の閣議で了承された。
 これは、都銀など銀行が、間接金融主体の頃にメインバンクとして取得していた融資先・取引先企業の株式を、巨額の不良債権処理のため、ここ二〜三年積極的に売却して益だしを図っていることが、結果的に株式市場の不安定化、値下がりに追い打ちをかけている―と認識から、自民党など与党側から、市場の安定のために何とかすべき―との声により、出てきたもの。
 銀行の放出株の受け皿として「銀行保有株式取得機構(仮称)」を設け、積極的に銀行株を買い取って、市場への影響を最小限にさせようというもの。
 同機構は三年以内に株式買い取りを終え、五年以内に完了する。
 株式買い取り対象は、銀行が保有する一般企業の株式で、強制的に保有株を出させるため、銀行の保有株の総額を自己資本の範囲内と制限を設け、積極的な買い取りを行わせるとしている。
 与党・自民党筋としては、株価上昇局面を演出させることで、景気回復ムードを何とか作り上げ、有利な形で七月の参議院選挙を乗り切りたい―との思惑から、政府や銀行などとの調整が行われないまま出てきたとされる。
 そのため金融庁からは、いわゆる市場売却の際、買い取り価格より下がった場合の公的資金による「損失補填」問題等をはじめ、銀行業界などからは、株式売却後に株価が上昇した場合にも収益を受け取れない問題などから、反対の声が挙がっている。
 とくに、グループ化して巨大化したものの、世界のメガバンク群と比べ、資産運用等ではるかに劣ると言われる国内銀行群にとって、株式売却は「唯一の収益をあげる手段」(金融関係者談)だけに、これを規制する今回の措置については、反発を強めている。
 なお、懸案の不良債権処理については、主要銀行が保有する「破綻懸念先」以下の回収不能な債権の処理について@既存案件は二年、新規案件でも三年と期限を設けて債権処理を行うこととするほか、債権放棄についてもガイドラインを設ける。

「吉本新喜劇」で不況風吹き飛ばす!
−70周年記念で、半田信金


TRIbank(さがみ、平塚、三浦藤沢)、業務提携10周年
−中坊公平氏の講演に1100名参加


京都中央、事業譲受後初の本格機構改革


三浦藤沢、海軍カレーで町おこし


しんきんトピックス
○「今日一日完全燃焼≠!」−大阪市信金・新堂理事長、入庫式で
○岐阜信金、取引企業の人材研修実施
○ATM機能アップ−多摩中央信金
○尼崎信金、事業アシストローン開始
○王子信金、人事異動




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