2001/11/15号
−信金法制定50周年記念大会−
これからも地域金融の核となって信金の真価発揮を!
 十一月一日、「信用金庫法制定五十周年記念全国大会」が、東京・赤坂プリンスホテル・五色の間で全国信金ら関係者八百名の参加を得て盛大に開催された。  信用金庫法の五十年の歴史を振り返り、信用金庫の存在意義を内外に示すために企画された大会であり、また二ヵ月前に起こった米テロ、それを契機としてのさらなる不況という厳しい状況に、お祭りムード≠ヘ一切なく、非常に引き締まった雰囲気の中に大会は始まった。  長野幸彦全信協会長の主催者代表挨拶も、不良債権や経済情勢等には触れず、「過去半世紀を総括し、新たな時代におけるビジョンを打ち立てるべき時」とし、「中小企業と信用金庫」の関係一本に絞り、一層地域金融に徹する決意を表明した。  地域を支える信用金庫の日頃の活動に、中曽根康弘 元総理(記念講演)、小泉純一郎総理、柳澤伯夫金融担当大臣、速水 優日銀総裁といった錚々たる来賓が参集。小泉総理がご母堂の葬儀等で代理出席した他は全員出席し、「地域金融の担い手として、わが国経済全体に貢献してほしい」と次々に信金への今後の期待が寄せられた。  終盤では、道端 進全信協副会長が、「大会宣言」を高らかに陶々と読み上げ、全国信金が二十一世紀の発展を願い「万歳三唱」で幕を閉じた。
○長野幸彦全信協会長−五十年契機にさらに信金の使命を全う
○構造改革に果たす役割大きい−小泉純一郎首相
○地域の担い手として経済に貢献を−柳澤伯夫金融担当大臣
○地域再生にリーダーシップを−速見 優日銀総裁


秋の叙勲、総勢二十五名に栄誉
 十一月三日の文化の日、政府から平成十三年秋の受章者が発表され、信金業界では十一名が叙勲、十四名が褒章受章の栄に浴した。  勲四等旭日小綬章には、道端 進氏(京都中央)と新堂友衛氏(大阪市)。  道端氏は、京都みやこ、南京都の計一兆円超の大型再編を引き受けたほか、現在、全信協副会長、近信協会長を務めている。  新堂氏は近信協会長・全信協副会長時代に大阪府内の信金の経営不振問題に直面したが、平成九年に大阪・三和、阪奈・富士、大阪市・大阪中央、八光・大阪産業信金の合併を一気に決め、大阪の結束≠見せた。  勲四等瑞宝章の茂木氏(西京)は、信金年金副理事長として、大木理事長と共に財政改革を果敢に断行したことが記憶に新しい。東信協会長、全信協副会長としても活躍中。


信金年金、選定・互選理事決まる
 全国信用金庫年金基金では、任期満了に伴い役員改選を実施したが、このほど理事が決定、十一月十四日第一回目の理事会を開き、理事を選任した。  今回の理事選任では、大木・茂木ラインで進めた基金の体質の抜本的見直しから、いよいよ基金存続のための抜本的な構造改革―特に、予定利率五・五%に設定されていた当時の支払い年金等を本格的に見直す作業を進めることが重要課題となっている。  そのため、広く全国役職員のコンセンサスを得る意味でも投票による理事選定という事態もあった。  なお理事長、副理事長等の新執行部選出は、十二月に行われる理事会の中で、選定理事の中から選出される。同時に、石田運用理事の退任に伴う後任理事の選定についても行われる予定。


超低金利時代、縮小均衡経営方向へ
ペイオフ解禁、常に顧客の立場で説明を
−碧海信金、石川理事長に聞く
 【安城】東海地区の中でも伝統的に堅実経営で知られる碧海信金の石川正義理事長に過日、時局面談した。  石川理事長は、昭和三十年入庫の生粋の信金人であるが、超低金利時代の貸出先の減少や融資等への様々障害等から現状では縮小均衡しか経営安定の道はない―と語るとともに、ペイオフ解禁が迫ってきた経営トップの意識と「お客さんの目線でものを語る」ことが必要と強調した。


システムの二重投資は困る−長野信金・西澤理事長
 【長野】長野信用金庫の西澤章夫理事長は、山口豊雄(故人、元関信協会長)武田千明両先輩理事長と、この春代表権のある会長に就任した菅原理事長らに続く生粋の金庫出身理事長であるが、理事長就任以来、早くも半年が経過しようとする中、業界を取り巻く厳しい環境変化等につき語った。

出資金増強はコスト高
配当21億円の信金も
 「コスト高になるので自己資本調達はできれば出資金増強には頼りたくない」と多くの信金が言う中、出資金残高が四百数十億円に及び、なお出資金集めをしている信金もあり、周囲の信金を驚愕させている。

信組再編終盤戦…秋の陣
 ここへきて全国で信金、信組の再編が相次いでいる。これは言わば来年四月のペイオフ解禁を前にしての「総ざらえ」。
 事業譲渡作業を来年三月までに終わらせるためには少なくとも半年はかかるため、逆算するとこの秋がペイオフ前の再編終結のタイムリミット。
 ただ、現在も各地でいくつかの再編計画が進んでおり、しばらく五月雨式に再編の発表がありそうだ。
○大栄、東京富士破綻、共立信組へ譲渡
○常滑信組、知多信金へ

TRI BANK、秋晴れの合同運動会
三金庫の健闘誓う




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