- 1998/3/25号
- 「全国信金預金100兆円達成は預金者の信頼の証」加藤全信協会長
- さる三月十八日、全信協・加藤会長は記者会見し、全国信金預金百兆円達成の意義と業界内処理を進める方針等について語り、業界のさらなる結束を呼びかけた。
- 「新生・日銀」に向け、総裁を民間から抜擢へ
- 三月二十日、日本銀行松下康雄総裁の辞任を受け、前・経済同 友会代表幹事で日銀理事経験のある日商岩井相談役の速水 優氏が新総裁に就任し、 福井俊彦副総裁の後任には、時事通信社解説委員会顧問の藤原作弥氏が新副総裁に 就任した。 速水総裁は、大正十四年生まれの七十三歳。昭和二十二年十月に日本銀 行入行。三十三年から三十七年にロンドン駐在参事付、三十九年から四十一年にニュー ヨーク駐在参事付、四十六年から四十八年にロンドン駐在参事と、海外経験が長く、国際 会議等では英語で発言できるほど堪能といわれる。 また、五十六年に日銀理事を退任 した日銀OBでありながら、国際色豊かな一流商社役員勤務など、日本版ビッグバンを迎 えて民間人の色彩が強いことが、今回の抜擢につながったとみられる。 日本銀行は、 四月から改正日銀法の施行により、国際市場からの信認を得られる中央銀行として、独 立性と透明性を高め、新生・日本銀行に生まれ変わる。
- 地銀、郵貯オン検討中も、 結論は先に
- 三月十日に、一部一般紙で「郵貯オンラ イン 地銀、一斉に提携へ」−「三月中旬にも地銀協の 会合で容認」「九九年一月から順次、実現を目指す」と 報じられ、「すわ、信託に続き、地銀もか!」と金融関 係者間に衝撃が走った。 だが、当の地銀協では「全 くの誤報」と全面否定している。 「郵貯オンについて は、下部組織で勉強・検討はしているが、まだまだ全 体の議題として上げるような段階にはない。従って、三 月十八日の例会(地銀加盟行六十四行代表者の会 合)でも、郵貯オンは議題にも上っていないし、まして や来年一月提携だなんて予定は全くない。 むしろ、 郵便局が公社化して新体制となるのに、地銀協として はどう対応すべきかという議論はしている」と、地銀協 では回答している。 ちなみに、信金業界では、三月 十六日の全信協正副会長会で郵貯オンが議題に上る など、検討が始まったところ。 民間金融業態では長 らく郵貯の肥大化阻止や民営化を求めてきた。しかし 結局、郵貯は“公社”、郵貯職員は“準公務員”となる ことが決まり、民営化要求は事実上、挫折。早速、店 舗数の少ない信託(五行)や長銀、シティバンクやブラ ジル銀等の外銀ほか、城南信金、新潟中央銀が、約 二万三千台ものATM・CD網を持つ郵貯とのオンライン 提携を決めている。
- 不良債権「フル」開示へ
- 今年三月 期よりディスクロージャー開示項目が二十八項目追 加・変更される。 最も大きなポイントは、これまで不 良債権の開示は破綻先債権のみで良かったのが、一 気に“フル開示”(破綻先、延滞先、金利減免先、経営 支援先)となる点。それに加えて償却・引当の方法も 厳しくなり、正常先債権や要注意先債権にも過去の貸 倒実績率に応じて引当が必要になる。このため、今期 の信金の不良債権額は著しい増加となりそうである。