2月5日号
  「“総論賛成、各論反対”で業界の再編は遅々として進まない。 このままでは二〇〇一年ペイオフ後の信金業界が心配。 そのためにも経営不振金庫、経営体質脆弱金庫など問題信金の整理統合は、 今年あたりがタイムリミットであるー」。
◇全信連の宮本理事長は、過日の合同記者会見で従来の沈黙を破って、 それこそ業界再編のために思い切った発言をした。 全国的には三九六金庫があり、うち都内には未だ四十四信金がある。 地方では小規模ながら棲み分けがはっきりしていて、 地元において存在感を発揮している金庫が多いが、 問題は東京地区の信金。
◇多額の不良債権に旧労働貴族と言われた過激労組を抱えた信金もあれば、 “業域信組”並みの特別意識を持つ古色蒼然たる“総代達”に振り回され一喜一憂、 なすすべを知らぬ信金もある。
◇これらの信金は資本の論理で全てが決する株式会社とは異なり、 協同組織である信金の“人的ネック”の部分であるだけに、そう簡単にことは決着しない。 じりじりと“座して死を侍つ”姿勢を取り続けるのか、 さもなければ業界全体の信用秩序維持のためにこの際、事業護渡とか解散かの思い切った強硬措置を取るか?のいずれかの道しかないだろう。
◇「全信連は我々が創った我々のもの」という感覚の保守的信金人から見れば、全信連筋に合併だの再編だの言われる筋合いはない−とする反対意見もあろうが、昨今、全く権威・権力のなくなった行政当局に代わってグローバルな見地からの業界再編を可能にするのは、いまや全信連しかない。
◇会費を出し合って運営する協会では、こと合併・再編に強制力がない。いまや相援も限界とあらば、あとは預金保険適用か全信連主導の再編しか策がないだろう。  

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