12月25日号
 まもなく二〇〇〇年だというのに、二〇〇一年四月から実施予定のペイオフ解禁問題は、未だにすったもんだで決まらない。自民党や政府役人も“真空総理“に倣って、決断力がないのか、といいたい。
◇ところで金融専門紙の立場からみれば、ペイオフ解禁、いつでもどうぞ!と自信のあるのは都銀ぐらいなもの。“商工ローンの「資金源」は都銀“などと騒がれても、国民の信頼は相変わらず厚いようだ。地銀や信金は、やってもよし、やらなければもっとよし!といったところ。
◇ペイオフ実施に、もっとも危機感を感じているのが第二地銀群。どうにでもしてくれ!とばかりに、半ば諦めている状態なのが信組業界であろう。第二地銀には大蔵省のOB組が多いこともあって、銀行が倒産すれば失職するので困るーといったところか。地域金融の役割は完全に終っている。したがって前・柳沢金融再生委員長の発言の通り、一県二行主義で旧地銀への再編がもっとも妥当であろう。
◇問題は信用組合である。義父である故・福田赳夫元蔵相、総理時代から越智金融再生担当相は、信組業界には個人的にも“昵懇“の間柄の信組があり、よき理解者としても知られる。だが信組業界は、明年四月から金融監督庁の監督下に入り、検査も受ける。
◇先に信組から信金に転換して倒産した大阪の東洋信金や不動信金は、結果的に国家基準の大蔵行政に追いて行けず、経営デタラメのまま倒産した。金融監督庁の検査は、もっと厳しいといわれる。
◇但し監督移管は既定方針。加えて二〇〇一年四月からペイオフ実施となれば、一部を除き殆どの信用組合は“壊滅状態“となろう。
◇信組業界のペイオフ実施は、業界の“生死“が賭かっているようだ。

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