ヘッジファンドの先駆者で著名投資家のジム・ロジャーズ氏は、歴史的な観点から、世界経済が「人生で最大級の危機」に向かっていると警告し、個人投資家に対して自己防衛策を講じるよう強く促しています。
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分析概要
1. 迫りくる経済危機と「天文学的」な債務
ジム・ロジャーズ氏は、米国経済が10〜15年もの間、深刻な問題を経験せずに推移してきた事実に注目しています。これは米国史上最長の記録ですが、歴史的に見て「永遠に続く好景気はない」とし、反動として間もなく巨大な問題が到来すると予測しています。- 借金漬けの世界:最大の懸念は、米国、日本、欧州など世界中で膨れ上がった巨額の債務です。彼は「私は足し算も引き算もできるが、今の数字は信じられないほど悪い」と述べ、この借金バブルが破裂する際は、過去の危機以上に悲惨なものになると警告しています。
- インフレの再燃:危機が訪れた際、政府は問題を解決する唯一の手段として「紙幣の増刷(Money Printing)」を行います。これが通貨の価値を毀損し、深刻なインフレを引き起こすと見ています。
2. 「西から東へ」のパワーシフトと米ドルの行方
ロジャーズ氏は、19世紀が英国、20世紀が米国の時代だったように、21世紀は中国を中心とするアジアの時代になるという持論を再確認しています。- 中国とインドの台頭:中国は歴史上唯一、何度も世界の頂点に立った国であり、再び上昇気流に乗っています。また、インドも「繁栄は良いことだ」という認識に変化し、力強く成長していると評価しています。
- 米ドルのパラドックス:米国は世界最大の債務国ですが、危機が発生すると、多くの人々が習慣的に「安全資産」と見なす米ドルに逃避します。ロジャーズ氏は現在、この「パニック買い」を見越して大量の米ドルを保有していますが、ドルがバブル化(過大評価)した時点で売却し、別の資産に移す計画を持っています。
3. 投資戦略:貴金属と「自分が知っているもの」
- 金と銀:経済混乱期における伝統的な避難先として、金(ゴールド)と銀(シルバー)を推奨しています。彼自身も長年保有しており、価格が下がれば買い増し、子供たちに残すつもりだと述べています。歴史的に、政治家が通貨を破壊するとき、貴金属は価値を保ってきました。
- AIバブル:AIは世界を変える技術ですが、現在は過熱しており、歴史上のあらゆる新技術(鉄道、インターネットなど)と同様にバブル化しつつあると警告しています。
- 投資の鉄則:ネットやテレビの情報を鵜呑みにせず「自分が熟知している分野(Stay with what you know)」にのみ投資することが、危機を生き残る唯一の方法だと強調しています。
4. 歴史の教訓:経済苦境は「戦争」を招く
ロジャーズ氏が最も懸念しているのは、経済が悪化した際の人間の行動パターンです。- スケープゴートと対立:人々は経済的に困窮すると、その原因を外国人に求めます。「邪悪な外国人」を非難し、関税障壁(貿易戦争)を築き、他国の資産を差し押さえようとします。
- 資産没収のリスク:欧米によるロシア資産の凍結・没収の動きについて、ロジャーズ氏は「政治家による資産強奪」であり、これが信頼を破壊し、最終的には「実際の戦争(Shooting War)」につながるリスクを高めると批判しています。歴史は、貿易戦争がしばしば武力衝突の前触れであることを示しています。
Jim Rogers氏(左)
Google Geminiによる画像生成