このインタビューが行われた2026年1月1日時点では、銀価格が一時84ドルに達した後、75ドル付近で推移するという極めて激しい値動きを見せています。金銀市場の専門家ランシー氏はこの状況を、単なる投機的なバブルではなく、既存の金融システムが物理的な現実によって「壊れ始めている」兆候だと分析しています。
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分析概要
1.銀市場の変質:バブルではなく「物理的欠乏」
ランシー氏は、現在の価格急騰が先物市場の投機(ペーパーシルバー)によるものではなく「現物(Physical)需要の問題」であると断言します。- 買われすぎだがバブルではない: 短期的には「買われすぎ(Overbought)」の状態にあるものの、裏付けとなる現物への強い需要があるため、ITバブルのような実体のない熱狂とは異なると述べています。
- 地域的な需給の断絶: 世界各地で「地域的な需要が地域的な供給を奪い合う」事態が起きており、人々がメタルを手放したがらなくなっていることが価格を押し上げています。
2.中国の「防御的」戦略と供給網の囲い込み
インタビューの大きな焦点は、中国の動向とアメリカの対抗策です。- 中国の輸出制限: 中国が2026年に銀の輸出制限を検討していることは、レアアースの時と同様の攻撃的な姿勢に見えますが、ランシー氏はこれを「防御的な措置」と見ています。中国は自国の産業とBRICSの新たな決済通貨(後述の「ユニット」)の裏付けとして大量の銀を必要としており、国内生産が減少する中で輸入を優先せざるを得ない状況にあります。
- 新モンロー主義と資源保護: 一方で、米トランプ政権下は「モンロー主義」を現代版にアップデートし、西半球(南北アメリカ)の資源を中国に渡さないよう制限をかけ始めています。これにより、中国はロンドンや中南米から銀を調達できなくなり、歴史的な「ショートスクイーズ(踏み上げ)」が発生しているとしています。
3.米銀行の役割:彼らは「加害者」か「救世主」か
多くの投資家が「Bank of Americaなどの巨大な空売りポジションが破綻する(爆発する)」と期待していますが、ランシー氏の視点は異なります。- 政府の代理人としての銀行: JPモルガンやBofAといった米大手銀行は、政府の「マーカンタイル・バンキング(重商主義的銀行業務)」の代理人として動いており、現物の裏付けやオフテイク契約(将来の生産分の買い取り契約)を持っています。
- システムによる保護: もし銀行が証拠金不足に陥っても、FRB(連邦準備理事会)がレポ市場などを通じて資金を供給し「ペーパー(紙)」で問題を覆い隠すと予測しています。つまり、米大手銀行が破綻するのではなく、彼らが価格上昇の「トリガー(引き金)」を引く側に回っているのが現状です。
4.新たな決済通貨「ユニット(The UNIT)」の台頭
インタビューの後半では、米ドルへの依存を減らすためのBRICSによる新決済手段「ユニット」について触れています。- 金裏付けのバスケット: ユニットは、40%の金と各国の法定通貨を組み合わせたバスケット通貨というコンセプトです。
- 二層化する世界経済: 将来的に、国際貿易の決済は「ユニット」のような現物資産(金・銀)に裏打ちされた通貨で行われ、一般市民(Plebs)は政府の管理下にあるCBDC(中央銀行デジタル通貨)や紙幣を使うという、経済の二層化が進むとランシー氏は予測しています。
ヴィンス・ランシー氏(右)
Google GeminiによるAI生成画像