元CIA顧問であるジム・リカーズ氏は、長年国際金融システムの脆弱性を指摘してきた専門家として、現在の経済政策、ドルの武器化、そして金がなぜ天文学的な価格へ向かっているのかを、多角的な視点から論じています。
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分析概要
1.トランプ政権の「三本の矢」と経済の再構築
リカーズ氏は、トランプ政権(およびベッセント財務長官)が掲げる「三本の矢」の経済政策を、混乱(カオス)ではなく明確な「プレイブック(戦略)」であると評価しています。- 三つの柱:
- 財政赤字をGDPの3%未満に抑える。
- 実質成長率を3%以上に保つ。
- 石油の増産(1日あたり300万バレルの追加)。
- 目的: これにより、分母(GDP)を増やしながら分子(債務)をコントロールし、債務対GDP比を劇的に改善させることを狙っています。
- 関税の役割: 関税は単なる保護主義ではなく、交渉の「レバレッジ(てこ)」であり、相手を交渉のテーブルに着かせるための「狂人理論(Madman Theory)」の一環として機能していると分析しています。
2.ドルの武器化と信頼の崩壊
リカーズ氏が最も強調する論点の一つが、米国によるロシア資産(約3000億ドル)の没収という「核の選択」がもたらした重大な影響です。- ドルの信頼喪失: 資産を凍結・没収したことで、世界中の国々(特にBRICS諸国)に対し「米国の方針に従わなければ、あなたの国の資産も安全ではない」というメッセージを送ってしまいました。
- 脱ドル化の加速: 世界の中央銀行はもはや米国債を「安全資産」とは見なさず、誰にも凍結できず、実体を持つ「金(ゴールド)」へと資金を逃がしています。これが、現在の金価格上昇の実質的な裏付けとなっています。
3.金価格1オンス1万ドルの数学的根拠
「1万ドル」という数字は、リカーズ氏によれば単なる予測ではなく「通貨システムが崩壊した際にシステムを再起動するために必要な価格」です。- マネーサプライとの連動: 世界のM2マネーサプライを金の保有量で裏付ける(金本位制に近い形にする)場合、過去の歴史的基準を当てはめると、金価格は1万ドルから1万5千ドル程度になる必要があります。
- カウンターパーティ・リスクのない資産: 債券や銀行預金は「他者の約束」に基づく資産ですが、金は唯一、相手の履行能力に左右されない(カウンターパーティ・リスクがない)資産であるため、極限の危機において究極の避難先となります。
4.「地政学的なチェス」グリーンランドとNATOの終焉
リカーズ氏は、トランプ氏のグリーンランドへの関心を「ジョークではない」と断言します。- 戦略的価値: グリーンランドは北極圏の防衛拠点(チューレ空軍基地)であり、莫大なレアアース資源が眠っています。米国はこれを中国やロシアの手から守るために「併合」を視野に入れた戦略を立てています。
- NATOの形骸化: 国防費の負担を巡る対立により、NATOはすでに時代遅れの組織となりつつあり、リカーズ氏はその解体すら可能性として示唆しています。
5.投資家への提言:本当の分散投資
リカーズ氏は現代の投資家が陥っている「分散投資の罠」に警鐘を鳴らしています。- 「50銘柄」は分散ではない: 10セクター50銘柄持っていても、それは「株式」という一つの資産クラスにすぎません。
- ポートフォリオの黄金比: リカーズ氏は、株式だけでなく、金、国債、そして「多額の現金(キャッシュ)」を持つべきだと主張します。現金はデフレ下での守りになるだけでなく、市場が暴落した際に割安な資産を買い叩くための「オプション(選択肢)」になるからです。
Jim Rickards氏
Google GeminiによるAI生成画像